⬇こちらの解説です。
1.75歳の男性。COPD(慢性閉塞性肺疾患)のため在宅酸素療法中である。数日前より感冒様症状を認め、本日より呼吸困難があるため家族が救急要請した。救急隊到着時観察所見:意識JCS2、呼吸数30/分。脈拍124/分、整。血圧146/76mmHg。体温38.4°C。SpO2値86%。リザーバ付フェイスマスク10リットル/分で酸素投与を開始した。
車内収容後に意識障害の進行、呼吸数およびSpO2値の低下を認めた。直ちに行う対応はどれか。1つ選べ。
答え バッグ・バルブ・マスクで補助呼吸を行う
慢性閉塞性肺疾患傷病者での現場活動を問う問題。原則として呼吸がしやすい体位で搬送を行い、自発呼吸が維持されている状態では、酸素の投与量に注意を払う。自発呼吸が停止したときに備えて、いつでも換気の補助ができる準備を整えておく。
救急救命士標準テキスト10 p.562
2.32歳の男性。引きこもりである。様子がおかしいとのことで家族が救急要請した。救急隊到着時観察所見:意識JCS200。体温39.0°C。振戦、筋硬直、発汗および流涎を認める。家族によると「近所の人が自分の悪口を言っていると訴え、2週間前から精神科に通院している。昨日受診した際に向精神薬がいくつか増えたらしい。」とのことである。
この傷病者で予想される症候はどれか。1つ選べ。
答え 悪性症候群
救急救命士標準テキスト10 p.685〜686
3.救命士が行う処置について正しいのはどれか。1つ選べ。
答え 人工呼吸は血液の酸素化と二酸化炭素排出の改善、呼吸筋の仕事量軽減が目的である
救急救命士標準テキスト10 p.372
4.救命士が行う処置について正しいのはどれか。1つ選べ。
答え 自動式人工呼吸器によって、換気量・換気回数・気道内圧を一定に保つことができる
自動式人工呼吸器を使用することで高流量酸素投与が可能となり、換気量・換気回数・気道内圧を一定に保つこともできる。
救急救命士標準テキスト10 p.375
5.救命士が行う処置について正しいのはどれか。1つ選べ。
答え 胸骨圧迫の部位はすべての傷病者において「胸骨の下半分」である
胸骨圧迫の部位は、すべての傷病者において「胸骨の下半分」である。
救急救命士標準テキスト10 p.376
6.救命士が行う処置について正しいのはどれか。1つ選べ。
答え 狭義のAEDではVT波形検出の特異度が高く、半自動除細動器のVT検出の感度が高い
救急救命士標準テキスト10 p. 380
7.救命士が行う処置について正しいのはどれか。1つ選べ。
答え 小児における心電図自動解析では、成人以上に脈拍触知による確認が必要である
小児に対する電気ショックの説明で記載されている。
救急救命士標準テキスト10 p. 382
8.一般用医薬品について正しいのはどれか。1つ選べ。
答え 薬剤師は第二類医薬品に関して相談に応じる義務がある
救急救命士標準テキスト10 p. 201
9.「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」について正しいのはどれか。1つ選べ。
答え 劇薬は他の薬と区別し保管する
業務上毒薬または劇薬を取り扱うものは、他のものと区別して貯蔵、陳列する。また毒薬については施錠して保管することが規定されている。
救急救命士標準テキスト10 p.201
10.検査の目的で誤っているのはどれか。1つ選べ。
答え 新薬開発の判断
医療機関における日常の診療は診察からはじまり、検査を加えることで確定診断に至る。疾病の原因診断のほか、重症度判定、治療方針の決定、治療効果の判断のために検査が行われる。
救急救命士標準テキスト10 p. 211
11.一次トリアージについて正しいのはどれか。1つ選べ。
答え 生理学的評価を用いる
災害時に突然生じる圧倒的多数の傷病者に対応するため、歩行の可否や簡便な生理学的評価により迅速に分類する。
救急救命士標準テキスト10 p. 237〜238
12.医療事故により傷病者に与えた影響からインシデント・アクシデント報告でインシデントに分類されるのはどれか。1つ選べ。
答え 持続的な検査が必要となった
救急救命士標準テキスト10 p. 277〜278
13.訴えとストレス反応の組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。
答え イライラするー覚醒
覚醒症状はイライラする以外に、眠れない。過剰に用心深くなる。などの症状を認める。
救急救命士標準テキスト10 p. 295
14.聴診について正しいのはどれか。1つ選べ。
答え 連続性ラ音は気管支狭窄を示唆する
聴診の説明で記載されている。呼吸音の異常では、肺気腫、無気肺、気胸、胸水貯留では呼吸音減弱が、気管支喘息、肺気腫、気道狭窄では呼気延長が認められる。気管支の狭窄により生じる連続性ラ音や持続性の短い不連続な断続性ラ音がある。
救急救命士標準テキスト10 p. 302
15.初期評価で実施すべき対応はどれか。1つ選べ。
答え 皮膚の性状確認
撓骨動脈の脈拍の強さと速さを確認する。触れなければ頸動脈で観察する。次に前腕などで皮膚の正常(色、湿り、温度)を観察する。脈が速く、皮膚が冷たく湿っていればショックと判断する。
救急救命士標準テキスト10 p. 709〜710