sue-aのブログ

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第22回 救急救命士学力テストの解説

 ⬇こちらの解説です。

sue-a.hatenablog.com

 

  

1.83歳の男性、散歩中に段差でつまずき、前額部を打撲した。起き上がれないため目撃者が救急要請した。救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数24/分。脈拍721分。血圧135/82mmHg。SpO2 値95%。

前額部に打撲痕を認める。両上肢が痺れて動きにくいと訴えるが、歩行は可能である。

最も考えられるのはどれか1つ選べ。

答え 中心性脊髄損傷

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中心性脊髄損傷(頸髄レベル)と上肢の運動麻痺


「転倒、前額部負傷」、「両上肢が痺れて動きにくい訴え」、「歩行可能」という情報から中心性脊髄損傷が疑われる。

中心性脊髄損傷は、主に頸部の過伸展によって脊柱管後方を走行する黄色靭帯が皺状になり、頸髄を後方から圧迫することによって頸髄の中心部に出血や浮腫をきたすことが原因と推定されている。

救急救命士標準テキスト10 p.695

 

2.40歳の男性。工場で作業中に大型の工作機械が倒れ、臀部から右下肢にかけてはさまれ動けなくなった。助けを呼ぶ声を聞いた近隣の住人が救急要請した。救急隊到着時観察所見:意識JCS2。呼吸数28/分。脈拍100/分、整。血圧98/60mmHg。SpO2値96%。

救助隊とともに救出したのち、傷病者は右下肢が動かないと訴えており、 観察したところ足背動脈が触知できなかった。

この傷病者の病態として考えられるのはどれか。1つ選べ。

答え 代謝性アシドーシス

クラッシュ(圧挫)症候群を疑う。クラッシュ症候群では、工作機械から救出後、重量物による圧迫が解除されると、これに伴って骨格筋の内容物であるカリウムやミオグロビンが組織間液に漏れ出すほか、骨格筋における嫌気性代謝が亢進するため組織間液や血液中の乳酸濃度が上昇する。これらの物質を高濃度に含む血液が全身循環を巡るため、高カリウム血症に伴う致死性の不整脈や高ミオグロビン血症に伴う急性腎不全、乳酸によるアシドーシスの原因となる。

救急救命士標準テキスト10 p.750

 

3.救命士の行う処置について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え すべての処置は観察・判断・評価を繰り返し搬送し医師に引き継ぐまで継続する

「処置の目的と意義」に記載されている。

救急救命士標準テキスト10 p.345

 

4.救命士の行う処置について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 気道確保の目的は気道の狭窄や閉塞を開通させることである

 「気道確保」の説明文に記載されている。

救急救命士標準テキスト10 p.345

 

5.救命士の行う処置について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 口腔内に唾液や分泌物・血液・吐物などが視認された場合などは口腔内吸引の適応である

口腔内の吸引 「目的」の説明文に記載されている。

救急救命士標準テキスト10 p.350〜351

 

6.救命士の行う処置について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 呼吸機能停止または心機能停止の傷病者は声門上気道デバイスの適応である

声門上気道デバイスを用いた気道確保 「適応」の説明文に記載されている。

救急救命士標準テキスト10 p. 351

 

7.救命士の行う処置について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え コンビチューブは食道または気管のいずれに挿入されても気道の確保が行える

「コンビチューブ」の説明文に記載されている。

救急救命士標準テキスト10 p. 356

 

8.ビデオ硬性喉頭鏡(エアウェイスコープ)による気管挿管について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 喉頭展開操作は必要ない

ビデオ硬性喉頭鏡による気管挿管の方法と手順に記載のとおり、②傷病者の口をできるだけ大きく開き、イントロックの喉頭展開板を直接目視し、口腔正中からイントロックの彎曲に沿って挿入するため、喉頭展開は必要ない。

救急救命士標準テキスト10 p. 366

9.除細動について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 頻回実施時は地域プロトコールに従う

救急救命士による電気ショックは、包括的指示の下に行うことが認められている。しかし、心室細動や無脈性心室頻拍が続く場合に何度まで電気ショックを繰り返すべきかについては、あらかじめ定められた地域のプロトコールに従うとともに、必要に応じて医師の指示を得るべきである。

救急救命士標準テキスト10 p.382

 

10.「心肺機能停止前の重度傷病者に対する血糖測定及び低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与」標準プロトコールについて正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 投与量は必要に応じて減量できる

三方活栓で輸液側を閉鎖し、1本当たり90秒以上をかけて2本を投与する。投与中は意識レベルの変化に注意する。全量(合計40mL)投与を原則とするが、必要に応じて減量してもよい。

救急救命士標準テキスト10 p. 394

 

11.創傷の処置で正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 四肢の包帯法は中枢に向かって巻き上げる

包帯を使用する場合は、①静脈うっ滞を防ぐため末梢から中枢方向に巻き上げる、②弾性包帯はきつく巻きすぎると血流障害を起こすので適度な強さで巻く。

救急救命士標準テキスト10 p. 404

 

12.小児の二次救命処置(PALS)に該当するのはどれか。1つ選べ。

答え 骨髄路確保

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医療従事者が行う救急蘇生法

二次救命処置は心停止への二次救命処置と心拍再開後の集中治療とが該当する。静脈路/骨髄路確保は二次救命処置(ALS)に含まれる。

救急救命士標準テキスト10 p. 420〜423

 

13.ボディメカニクスによる搬送について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 重心を下げる

ボディメカニクスの説明文に記載されている。

救急救命士標準テキスト10 p. 437

 

14.筋ジストロフィーで低酸素血症を来す機序はどれか。1つ選べ。

答え 拘束性換気障害

%肺活量(肺活量が、性、年齢、身長から予測される数値の何%か)が80%以下の状態をさす。肺活量の減少をきたす病態で、肺、胸郭、呼吸筋のいずれかが障害されて生じる。

肺炎、肺がん、肺線維症、肺の切除手術後胸郭変形(肺結核後遺症)、神経筋疾患などでみられる。

筋ジストロフィーは神経筋疾患に含まれる。

救急救命士標準テキスト10 p. 457

 

15.心不全で心拍出量減少に伴う症候はどれか。1つ選べ。

答え 易疲労

症候「低心拍出量による症候」の説明文で記載されている。

救急救命士標準テキスト10 p. 460