sue-aのブログ

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第38回 救急救命士学力テストの解説

 ⬇こちらの解説です。

sue-a.hatenablog.com

 

  

1.73歳の男性。知人と自宅で話しているとき突然しい胸痛が出現し、知人が119番通報した。発症後約15分で救急隊到着し傷病者に接触した。胸痛は救急隊到着の直前に軽減したとのことで、接触時には痛みはなく重苦しい感じのみとのこと。救急隊到着時観察所見:呼吸数18/分。脈拍95/分、整。血圧150/100mmHg。SPO2値95%。

胸部聴診所見は特に異常なし。居間のソファーに横になっていたが、呼吸困難の訴えなし。2~3日前に同様の胸痛があったが、5分程度で今回同様に胸痛は消失したので、救急要請はしなかったとのこと。糖尿病や高脂血症はないが、喫煙歴は50年以上である。

以下のうち正しいものはどれか。1つ選べ。

答え 不安定狭心症である

狭心症発作を新たに発症した場合や、これまでの狭心症の症状が増悪傾向にあるもの、すなわち頻度の増加、症状の悪化、硝酸薬の反応低下、持続時間の延長、より軽い労作での発症などを認める場合を不安定狭心症という。2〜3日前は5分間で消失したが今回は15分継続しており増悪傾向にある。

救急救命士標準テキスト10 p.571〜572

 

2.23歳の男性。数か月前から空腹時に心窩部痛があり胃薬を服用していた。夕食後、突然、上腹部に激痛を訴えたため家族が救急要請した。救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数28/分。脈拍100/分。血圧150/90mmHg。体温37.8°C。苦悶様顔貌で右側臥位になっている。右上腹部から右下腹部に圧痛を認める。

考えられる疾患はどれか。1つ選べ。

答え 十二指腸潰瘍穿孔

20〜40歳代に多い十二指腸潰瘍、空腹時の心窩部痛などエピソードから十二指腸潰瘍が疑われる。激痛を訴えており、穿孔を起こしている可能性が考えられる。穿孔は潰瘍が深くなって消化管壁を貫通したものであり、内容が腹腔内に漏れて急性腹膜炎を生じる。

救急救命士標準テキスト10 p.590〜591

 

3.緊急度・重症度の判断について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 簡便な緊急度判定を基にした複数傷病者の優先度判定をトリアージという

災害時に突然生じる圧倒的多数の傷病者に対応するため、歩行の可否や簡便な生理学的評価により迅速に分類することを一次トリアージと呼ぶ。

救急救命士標準テキスト10 p.237〜238

 

4.緊急度・重症度の判断について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 現場で緊急度・重症度を評価することは適切な処置の実施・搬送先医療機関選定の点で重要である

「判断の目的」の説明文に記載されている。

救急救命士標準テキスト10 p.327〜328

 

5.緊急度・重症度の判断について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 社会全体で緊急度判定体系の確立のため、緊急度判定プロトコールが存在する

2013年度に、消防庁の「社会全体で共有する緊急度判定体系のあり方検討会」の検討を基本にして、「緊急度判定プロトコル version1(Ver.1)」が策定され、2017年度に「version1.1」に小改訂された。

救急救命士標準テキスト10 p.328

 

6.緊急度・重症度の判断について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 胸痛の重症度・緊急度判断の第2段階で、ST低下を認めたときは重症以上と判断する

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胸痛の重症度・緊急度判断

第9版 救急救命士標準テキストp.432に記載されている。

※第10版には記載なし

救急救命士標準テキスト10 p. 327〜331

 

7.緊急度・重症度の判断について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 小児のⅢ度熱傷5%は重症度・緊急度が高いと考えられる

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重症度・緊急度が高いと考えられる症状、属性など(病態別)

 

第9版救急救命士標準テキストp.436
※第10版には記載なし

救急救命士標準テキスト10 p. 327〜331

 

8.高血圧性脳症について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 脳の毛細血管に圧負荷がかかる

平均動脈圧が150mmHgを超えると自動調節能が破綻し、脳血管が拡張する。その結果、毛細血管に圧負荷がかかり、血漿が血管外に漏出し脳浮腫をきたす。

救急救命士標準テキスト10 p. 586

9.急性膵炎について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 腸雑音は減弱する

化学的刺激による腹膜炎で腸管麻痺をきたす。腸雑音は減弱する。

救急救命士標準テキスト10 p.596

 

10.白色水様下痢が特徴的なのはどれか。1つ選べ。

答え コレラ

サルモネラ腸炎では緑色の下痢、コレラでは大量の白色水様下痢が特徴的とされる。

救急救命士標準テキスト10 p. 588

 

11.腹痛と性器出血とを来す疾患はどれか。1つ選べ。

答え 子宮内反

分娩後、子宮が内反することがある。まれな疾患ではあるが、激しい腹痛、大量の性器出血により、ショックに陥りやすく、緊急度が高い疾患の一つである。

救急救命士標準テキスト10 p. 672

 

12.腎前性急性腎障害を起こすのはどれか。1つ選べ。

答え 心不全

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救急救命士標準テキスト10 p. 599

 

13.大腸菌が原因となる疾患はどれか。1つ選べ。

答え 急性腎盂腎炎

細菌が尿道から入り上行性に腎盂に達するものが多く、一部に血行性感染もある。起炎菌は大腸菌が大部分。

救急救命士標準テキスト10 p.602

 

14.内分泌器官とホルモンの組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。

答え ランゲルハンス島一グルカゴン

膵臓(ランゲルハンス島)からはインスリンとグルカゴンが放出されている。

救急救命士標準テキスト10 p.140

 

15.高浸透圧高血糖症候群の特徴はどれか。1つ選べ。

答え 感染や脱水を契機に発症する

高浸透圧高血糖症候群は、2型糖尿病患者に多くみられ、中高年に多い。感染や、利尿薬の使用などによる脱水などがきっかけとなる

救急救命士標準テキスト10 p. 611〜612