sue-aのブログ

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第39回 救急救命士学力テストの解説

 ⬇こちらの解説です。

sue-a.hatenablog.com

 

  

1.45歳の男性。呼吸困難で救急要請。2か月前から全身倦怠感を強く感じるようになり、顔面と下肢に浮腫が出現した。体重は2週間で7kg増加している。意識清明。腹部膨満感および息切れがあり、食欲も低下している。

この傷病者の観察所見や処置で観察されるものはどれか。1つ選べ。

答え 坐位でも外頸静脈の怒張を認める

心不全徴候が生じている。消化器のうっ血により食思不振、便秘、悪心・嘔吐、腹部膨満感をきたす。

他覚的には頸静脈怒張や肝腫大を認める。体表面の浮腫は脛骨前面や足背の圧痕浮腫としてみられ、悪化すれば全身に及ぶこともあり、体重は増加する。

救急救命士標準テキスト10 p.460

 

2.18歳の女性。10日前に感冒様症状が出現し39°Cの発熱と咳嗽を認めたが、3日くらいで軽快した。5日前からしきりに飲物を飲んでいる姿を見かけることが多くなった 。 一昨日から、しきりに喉の渇きを訴えるようになり、本日、呼びかけに対する反応が鈍くなったため家族が救急要請した。

この傷病者の病態および症候で正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 2型糖尿病

高浸透圧高血糖症候群の症状が疑われる。血漿浸透圧の上昇に伴って、浸透圧利尿をきたす。高浸透圧高血糖症候群は、2型糖尿病患者に多くみられる。

救急救命士標準テキスト10 p.611〜612

 

3.生命倫理の「4つの原則」でないのはどれか。1つ選べ。

答え 平等の原則

生命倫理に関する原則には「自律の尊重」「善行の原則」「無危害の原則」「公正・正義の原則」がある。

救急救命士標準テキスト10 p.12〜13

 

4.救急救命士の傷病者への対応で生命倫理の善行の原則に含まれるのはどれか。1つ選べ。

答え 手袋を使用して傷病者に触れる

善行の原則とは医学的に正しいこと、またはよかれと思ったことを行う。医療者としてよかれと思ったことの一例に「善行の原則に従って輸血を行うこと」がある。

手袋を使用して傷病者に触れるのも同様と考えられる。

救急救命士標準テキスト10 p.12

 

5.パターナリズムを示すのはどれか。1つ選べ。

答え ジュネーブ宣言

パターナリズムとは”慈悲深い父親”と訳される生命倫理に関する2つの潮流の1つ「人格主義的な生命倫理」を主張した考えである。

ヒポクラテスの誓いやジュネーブ宣言は、伝統的な、本来的な意味でのパターナリズムを具体的に示すものであり、ニュールンベルグ網領に続くヘルシンキ宣言やリスボン宣言は患者の権利を尊重するに至った潮流にある。

救急救命士標準テキスト10 p.14

 

6.リスボン宣言における患者の権利に含まれないのはどれか。1つ選べ。

答え 積極的安楽死を遂げる権利

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リスボン宣言における患者の主要な権利

救急救命士標準テキスト10 p. 14

 

7.インフォームドコンセントについて正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 時間的余裕のない場合は事後に説明を尽くす

緊急時においては、傷病者ないし家族に説明する時間的余裕のないまま、特定行為などの侵襲性の高い医行為が行われる場合がある。法的には例えば、「緊急事務管理」という範疇において傷病者にとって最善の選択を行うことが許される。しかし、その後に余裕が得られれば、処置の内容や急いだ理由などについて説明する。説明できなくても、遅滞なく記録に記載することは重要である。後々に急いだ理由などを遡ろうとするなら、記載した記録が拠りどころとなる。

救急救命士標準テキスト10 p. 15

 

8.低張性脱水の症侯はどれか。1つ選べ。

答え ショック

低張性脱水は、下痢や大量の発汗に対して水分のみを補給した場合や、利尿薬の投与などにより生じる。血栓ナトリウム値と血栓浸透圧値は低下し、血漿蛋白やヘマトクリット値の上昇、循環血液量の減少をきたす。脱水によってショックの傷病者に対して乳酸リンゲル液投与の適応を判断する。

救急救命士標準テキスト10 p. 612

9.椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 線維輪の断裂を伴う

椎間板ヘルニアは、椎間板の髄核が脱出する疾患であり、多くは髄核を取り囲む線維輪の断裂を伴う。

救急救命士標準テキスト10 p.623〜624

 

10.キーセルバッハ部位からの鼻出血について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 用指圧迫止血が期待できる

鼻出血に対する処置は、両鼻翼を母指と示指でやや強く、10分間持続的につまんで圧迫し口呼吸させる。傷病者自身に行わせてもよい。この方法でキーセルバッハ部位からの出血はだいたい制御できる。それよりも奥(鼻腔後部)からの大量出血には病院前で効果的な止血法がない。

救急救命士標準テキスト10 p. 634

 

11.蚊が媒介する感症はどれか。1つ選べ。

答え 日本脳炎

日本脳炎は、フラビウイルス科に属する日本脳炎ウイルスに感染して起こる。このウイルスは、伝播様式からアルボウイルス(節足動物媒介感染性ウイルス)とも分類される。日本などの温帯では水田で発生するコガタアカイエカが媒介するが、熱帯ではその他数種類の蚊が媒介することで知られている。

引用:

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/449-je-intro.html

救急救命士標準テキスト10 p. 284

 

12.食中毒の病原菌と潜伏期の組合わせで正しいのはどれか。1つ選べ。

答え カンピロバクターー2~7日

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その他の主な食中毒

救急救命士標準テキスト10 p. 639

 

13.小児の特徴について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 乳児期はアトピー性皮膚炎が多い

乳児の腸は消化力が未熟で蛋白質のまま吸収する仕組みとなっている(これが乳児期にアトピー性皮膚炎が多い理由の一つである)。

救急救命士標準テキスト10 p.646

 

14.被虐待児の特徴で誤りはどれか。1つ選べ。

答え 歯列矯正歯科受診歴

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被虐待児の特徴

 

救急救命士標準テキスト10 p.657

 

15.小児・乳児の特徴について正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 緊急度・重症度は心拍数及び呼吸数の年齢別正常値と標準偏差値をもとに評価する

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心拍数・呼吸数の年齢別正常値

小児ではバイタルサインも年齢によってその正常値がことなることから知っておく必要がある。

救急救命士標準テキスト10 p. 648