sue-aのブログ

消防士のためのブログ。消防士の仕事をしている中で有益な情報を発信します。救急救命士国家試験問題毎日更新中💯。消防昇任試験問題も不定期ですが更新しています。

第62回 救急救命士学力テストの解説

 ⬇こちらの解説です。

sue-a.hatenablog.com

 

  

1.62歳の男性。高血圧、糖尿病で近医を受診している。「ドーン」という音に気付いた妻が自宅二階へ駆付け、倒れているところを発見し救急要請された。救急隊到着時観察所見:意識 JCS100。呼吸数30/分。脈拍は左橈骨動脈で速く微弱であり、右橈骨動脈の拍動は触知できない。SpO2値90%。四肢の痛み刺激に対して左上下肢は払いのける動きがあったが、右上下肢は反応がなく冷感を認める。外傷所見はない。

適切な対応はどれか。1つ選べ。

答え 心停止前の輸液の指示要請を行う

(◯)ショック状態であり心停止前の輸液を実施する。

疾患としては大動脈解離が疑わしい。

▼不正解の回答について

・呼吸はあるため気管挿管の指示は必要ない。

脳神経外科担科選定は望ましくない。

・補助換気を実施するSpO2値、呼吸数ではない。

・ショック状態なので仰臥位もしくは下肢挙上が望ましい。

救急救命士標準テキスト10 p.582〜583

 

2.15歳の女子。家族と蕎麦屋で食事を摂り自家用車で帰宅途中、全身の痒みを発症したため救急要請された。救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数36/分。脈拍130/分、整。血圧80/50mmHg。SpO2値 88%。体温37.2°C。呼吸困難と腹痛を訴え、蕁麻疹を認める。

この傷病者の病態として正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 消化管粘膜の浮腫

アナフィラキシーを発症している。アナフィラキシーの病態として消化系では、消化管粘膜の浮腫、平滑筋収縮、分泌亢進などを生じる。

救急救命士標準テキスト10 p.620

 

3.28歳の女性。妊娠36週目で妊娠高血圧症候群を指摘されていた。本日、頭痛に伴って「目がチカチカする」と訴えたあと、痙攣発作を発症したため救急要請された。救急隊到着時観察所見:痙攣は消失している。意識JCS200。呼吸数 18/分、いびき呼吸。脈拍 90/分、整。血圧 200/100mmHg。SpO2値 93%。体温 36.5°C。痙攣は初発である。

適切な対応はどれか1つ選べ。

答え 布等で眼を覆う

子癇とは、妊娠20週以降に初めて痙攣発作を起こし、てんかんや二次性痙攣が否定されるものをいう。

応急処置は、気道確保、誤嚥防止、酸素投与である。

発作は時間が経つと自然に治まることが多いが、ちょっとした刺激で再発することも少なくないため、目を覆うことで光刺激を避け、大声で呼びかけたり揺さぶったりするなどの刺激は与えない。

救急救命士標準テキスト10 p.668〜669

 

4.70歳の男性。卒倒したため家族が救急要請した。救急隊到着時観察所見:意識JCS300。 呼吸なし。脈拍40/分。救急救命士の対応で正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 救急現場での静脈路確保

胸骨圧迫は心機能停止していないため実施できない。

気管挿管は心機能および呼吸機能停止傷病者が適応である。

アドレナリン投与は心機能停止の傷病者が適応。

医療機関に到着しても脈拍数が保たれており、実施するか否か。

(◯)心機能または呼吸機能停止の傷病者に実施できるのは、「乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保のための輸液」、「食道閉鎖式エアウェイ、ラリンゲルマスクによる気道確保」である。

f:id:a-_-s0404:20211019100718j:plain

医師の具体的指示を必要とする救急救命処置

救急救命士標準テキスト10 p.263

 

5.91歳の男性。自室で倒れているところを家族が発見し救急要請した。救急隊到着時は心肺停止で、心電図は心静止であった。心肺蘇生を行いながら搬送した。搬送中に付き添いの家族から「もう無理ですね?」と話しかけられた。

適切な返答はどれか。1つ選べ。

答え 「分かりませんが精一杯救命処置を行っています。」

関係者は傷病者の突然の急病で傷病本人以上に不安を感じている。家族や同僚などの関係者へも傷病者の観察や処置を説明する必要がある。

ただし、救急隊が傷病者を安心させるために発した言葉が、後にトラブルの種となることがある。

救急現場活動では客観性のある適切な言葉で対応する必要がある。

不正解の解答にあっては、どれも誤解を招く危険がある。

救急救命士標準テキスト10 p.255

 

6.救急救命士法第34条第4号に定められている救急隊員の実務経験で正しいのはどれか。1つ選べ。

答え 5年または2000時間以上

f:id:a-_-s0404:20211019101515j:plain

救急救命士の養成課程

 

救急救命士標準テキスト10 p.261

 

7.救急救命士法第34条第3号に定められている養成施設の養成期間はどれか。1つ選べ。

答え 4年

f:id:a-_-s0404:20211019101515j:plain

救急救命士の養成課程

 

救急救命士標準テキスト10 p.261

 

8.救急隊員のOffーJTはどれか。1つ選べ。

答え 病院実習

Off-JTとは、職場以外で行う教育のこと。

病院実習、メディカルコントロール協議会の事後検証会議、学会などの参加や発表、研究や論文作成、外傷や意識障害、多数傷病者対応などの標準コースへの参加がある。

救急救命士標準テキスト10 p.271

 

9.総務省消防庁が推奨する救急救命士の生涯教育で2年間に取得すべき時間はどれか。1つ選べ。

答え 128時間

救急救命士は2年で128時間以上の生涯教育を行うことが推奨されており(消防庁:平成13年救急業務高度化推進委員会報告書)、所属機関においても病院実習を含めさまざまな取り組みが行われている。

救急救命士標準テキスト10 p.271

 

10.臨床実習施設における実習要領で見学にとどめるものはどれか。1つ選べ。

答え 人工呼吸器の使用

f:id:a-_-s0404:20211019102650j:plain

救急救命処置の範囲

人工呼吸器に使用は、救急救命処置の範囲外。

救急救命士標準テキスト10 p.262

 

11.医療現場においてインシデントに該当するのはどれか。1つ選べ。

答え 間違ったことが実施され一時的な検査が必要となる

f:id:a-_-s0404:20211019103241j:plain

インシデント、アクシデントの影響度による分類

 

救急救命士標準テキスト10 p.278

 

12.ヒューマンエラーの再発予防策として適切でないのはどれか。1つ選べ。

答え 過失に対する罰則制度を強化する

エラーを起こした者が「報告」とためらわないようにWHO(世界保健機関)は[良好な報告システム]として、

①報告を罰則の対象としないこと、

②そのためには可能であれば第三者に対する匿名化が望ましいこと、

③原因究明、再発防止を目的とした報告システムは司法から分離すること、

④報告は専門家によって遅滞なく分析・査定されること、

⑤再発防止策は遅滞なく出され、

⑥それを必要としている部署に通達(フィードバック)されること、

⑦原因究明・再発防止策は個人の行為よりも医療機関・組織全体のシステムの問題に焦点を当てること

をあげている。

救急救命士標準テキスト10 p.281

 

13.ハインリッヒの法則で一つの重大事故の背景に存在するインシデントはいくつか。1つ選べ。

答え 300

 

救急救命士標準テキスト10 p.278

 

14.予防接種がない感染症はどれか。1つ選べ。

答え C型肝炎

f:id:a-_-s0404:20211019104423j:plain

予防接種の種類

 

救急救命士標準テキスト10 p.636

 

15.医療事故について正しいものはどれか。1つ選べ。

答え 画像検査中の事故は該当する

医療事故は、医療を行った医療者の過失の有無を問わず、医療にかかわるすべての場所で、医療の全過程において発生するすべての人身事故をいう

したがって、廊下での転倒など、医療行為とは直接関連しない医療機関内で生じた事故も含めている。対象は患者および医療者の両方を含める。

救急救命士標準テキスト10 p.281

 

f:id:a-_-s0404:20210715212327j:plain