⬇こちらの解説です。
1.貧血の症候として誤っているのはどれか。1つ選べ。
答え 徐脈
貧血では、酸素運搬能の低下による症候と、その代償によって生じる症候の両方がみられる。
貧血の場合、頻脈となる。
救急救命士標準テキスト10 p.618
2.脊髄が圧迫されることで出現する症候はどれか。1つ選べ。
答え 腰痛に伴う下肢の知覚障害
腰痛性疾患のうち下肢症状を伴うものとしては、一般的には腰部神経根刺激症状あるいは圧迫性馬尾症状であることが多く、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが代表的疾患である。
救急救命士標準テキスト10 p.537、624
3.蜂巣炎(蜂窩織炎)について正しいのはどれか。1つ選べ。
答え 境界不鮮明な紅斑を伴う
真皮深層から皮下組織内における急性化膿性炎症である。
ブドウ球菌や連鎖球菌によって生じることが多い。
突然発症して、四肢の熱感、掻痒感、拍動性疼痛、圧痛が著明となり、境界不鮮明な潮紅を伴う腫脹が急速に出現する。
救急救命士標準テキスト10 p.642
4.「血を吐いています。」との家族からの通報で緊急度の判断に役に立つ情報はどれか。1つ選べ。
答え 「顔色が悪い。」
吐血の際は、顔色の評価でショックになっていないか確認する。
また、結膜の観察で貧血の程度を観察する。
ショックの場合は、輸液の実施を考慮する。
救急救命士標準テキスト10 p.536
5.粘血便を来すのはどれか。1つ選べ。
答え 感染性大腸炎
大腸粘膜の病変からの出血では、粘膜から過剰に分泌された粘液が加わって粘血便となる。
救急救命士標準テキスト10 p.535
6.結膜黄染を認める吐血傷病者で疑うべき疾患はどれか。1つ選べ。
答え 食道静脈瘤
肝硬変の既往や、黄疸、腹水、クモ状血管腫、突然の無痛性大量鮮血吐血の場合、食道静脈瘤破裂を考える。
救急救命士標準テキスト10 p.535
7.尿管結石でみられる症候はどれか。1つ選べ。
答え 間欠痛
尿管結石は、結石の嵌頓により尿流が停滞すると、内圧の上昇により腎杯、腎盂、尿管が引き伸ばされ、これに尿管の攣縮も加わって強い内臓痛が惹起される。
内臓痛なので、痛みは間欠的である。
救急救命士標準テキスト10 p.529、602
8.腰痛・背部痛で重症度が最も高いのはどれか。1つ選べ。
答え 化膿性脊椎炎
頻度の高い筋・骨格系疾患による腰痛・背部痛では、安静時に痛みが改善するのが通常である。
そうでない場合は、内臓や血管に原因があるか、または筋・骨格系であっても癌の骨転移、化膿性脊椎炎など重症度の高い疾患によることが多い。
救急救命士標準テキスト10 p.538
9.腰・背部痛を来す疾患で右肩から右肩甲骨下角付近への放散痛が判断の手がかりになるのはどれか。1つ選べ。
答え 胆石症
膵炎は通常、上腹部痛をきたすが、背部に放散痛が出やすい。
胆道疾患では右季肋部痛に加えて右肩甲骨下角付近の背部痛や右肩痛の訴えが多い。
救急救命士標準テキスト10 p.537
10.急性腎盂腎炎について正しいのはどれか。1つ選べ。
答え 膀胱炎症状を認める
生殖年齢の女性、悪寒・戦慄、混濁尿、背部叩打痛、膀胱炎症状(排尿痛、頻尿、残尿感、混濁尿、血尿など)が急性腎盂腎炎の判断の手がかりとなる。
救急救命士標準テキスト10 p.538、602
11.高体温の原因疾患で筋強剛を認めるのはどれか。1つ選べ。
答え 悪性症候群
救急救命士標準テキスト10 p.685
12.発熱が生体に与える影響で有利なのはどれか。1つ選べ。
答え 微生物の増殖抑制
有利な点:免疫抵抗力の増強、微生物の増殖抑制
不利な点:呼吸・循環系の負担増、熱性痙攣の誘発(幼児)、既存脳障害の悪化、熱による直接の細胞・臓器障害
救急救命士標準テキスト10 p.542
13.解熱後に出現する皮膚症状を特徴とする疾患はどれか。1つ選べ。
答え 突発性発疹
およそ3日間の39度前後の高熱と解熱後の全身の発赤疹(ほぼ3日間で消退する)を呈する。
救急救命士標準テキスト10 p.654
14.24歳の男性。飲酒後に数回嘔吐したところ、吐物が血液様となったため友人が救急要請し た。救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数20/分。脈拍94/分。血圧100/68mmHg。顔面蒼白で冷汗を認める。
この傷病者の疾患について正しいのはどれか。1つ選べ。
答え 吐血の性状は新鮮血である
マロリー・ワイス症候群を考える。もっとも多い原因は飲酒後の嘔吐である。食道胃接合部の粘膜にストレスがかかり、粘膜下層までの裂創で生じるため、吐血の性状は新鮮血である。
「激しく嘔吐した後に吐血した」というのが特徴的な病歴。
救急救命士標準テキスト10 p.590
15.40歳の男性。昨日昼頃から全身倦怠感を認めていた。夜になり背部から腰部にかけて痛みを自覚するようになり、時間が経つにつれて下方移動してくる感じがある。今朝からは起立困難となるほどの腰部痛があり救急要請となった。救急隊到着時観察所見:意識JCS3。呼吸数30/分。脈拍115/分。血圧90/50mmHg。体温36.9℃。背部を叩くと激しく痛がる。
この傷病者の説明で正しいのはどれか。1つ選べ。
答え 尿所見を観察するべきである
尿管結石を疑う。尿に血液混入があるか確認する。
救急救命士標準テキスト10 p.602